調べたり考えたりしたのを書いていこうと思います

使い果たされるクリスマスと俺

 

12月25日時刻23:30

大宮駅のコンコースは作業員で溢れていた。

 

ルミネや駅デパートに張り付けられた”クリスマス”のシールや”クリスマスツリー”の破棄回収作業を行っているようだ。

そうやって使い果たされていく”クリスマス”達を見て、なんとなく少し前の自分が重なって見えた。

 

コロナが蔓延してから程無くして私の受け持つ部署はキャンセルの嵐と返金周りのクレーム対応に明け暮れた毎日となった。

そんなタイミングで上司が入れ替わった。

一発目の面談、いきなり手痛い先制攻撃から入ってきた。

物理的に海外にも行けず、目先のクレーム対応をせざるを得ない状況の私に、

「顧客を増やす方法を検討していないお前に運営する資格はない」(意訳)

と冷たく言い放った。

とはいえそんなことを考える余裕の無い私は秒で部署解散と共に出向が命じられた。

新卒2年目にしてマネージャーとなった私が、私なりに上手いことやってきたつもりの部署ではあったが、こうも無力に消えてなくなるのは本当に悲しかった。

が、泣く暇もなく(少し泣いた)たった2日の引き継ぎだけ行い、出向業務もとい人身売買の片棒を担ぐことになった。

 

細かいことは機密から略すが、人身売買のスキームは極めて単純で、就職希望者を企業面談に斡旋して内定になったら企業からお金がもらえるという馬鹿でもできる商売だ。(私は嫌いである)

「人材サービス」に潜む危うさと罪 今後も社会に必要な存在であるために求められるものとは:連載・「人材サービス」が滅ぶ日は来るのか?(1/5 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

 

○○ナビでも取り上げられたようにこの業界に自浄作用などなく、

ただひたすらに目先の利益を追求し、自らの懐に入れるだけの道具に過ぎない。

そんなに学歴フィルターは「悪」なのか マイナビ「大東亜」騒動で見落としがちな視点:「学歴不問」は「実力不問」ではない(1/5 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

 

私の部署は文字通り粉々になり、人身売買でこの命を使い果たしていくのか、と一抹の思いと覚悟はあった。

 

そんな思いをしながら数か月人身売買をしていると、ある日突然本社に戻って業務しないか、という提案が他部署の上司から連絡があった。

捨てる神あれば拾う神あり、とはまさにこのこと。

ただ、私は捨てられたゴミらしく朽ち果てるまでは激臭を放ってやろうという無敵の人思考があり、少し戻るか悩んだが、結局戻ることを選んだ。

「人生の変わり目って手を差し伸べる人がいるんだなと思う。どんなに迷っててもその手に気づくくらいの世の中と向き合う気持ちは忘れないでほしい。絶対に光ってる手があるのよ。一回逃すともうこない。」

とマツコデラックスが言っていたのをふと思い出してしまった。

マツコ・デラックスさん『人生の変わり目に手を差し伸べてくれる人がいる』から始まる深い金言「なぜか号泣した」 - Togetter

 

よく自己啓発大好きヒューマンが馬鹿のように岡本太郎

私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。

コレを引用するが、コレができるのは大谷翔平なみのタフネスとメンタルを持ち合わせている人間だけが実現可能で、少なからず私のような虫タフネスの豆腐メンタルには到底実現不可能なのである。

故にくだらん自傷行為よりかはある程度健康を害さない選択肢のほうがオオタニさんlikeな人間以外には有用である、と説いて回りたくなる。

 

そんなくだらないことを考えつつ、廃棄を目前に控え、激安価格になった”ハロウィン”パッケージのオレオを2つ手に取り、買い物かごに入れた。